2022年2月号:むらかみさんを離さない知床の魔力

大学卒業→知床5年目、アウトドア満喫の暮らし
オホーツクハウス 2022.02.17
誰でも
オホーツクハウスきよさとから見える、夕暮れの斜里岳
オホーツクハウスきよさとから見える、夕暮れの斜里岳

ニュースレターをお読みいただいているみなさんこんにちは!オホーツクハウスを運営している株式会社トーチのさのです。

札幌周辺では観測史上最大とも言われる大雪が降りましたが、オホーツク方面も今年はとても雪が多いです。そしてついに流氷が!

濃い赤色の部分が密度が最も濃いところ。かなり来ているようですね。ここ数年は流氷が比較的多く流れてくる年になっているようです。

ちなみに灯台のライブカメラという映像もあるので、流氷気分に浸りたい方はぜひどうぞ。網走のSTVライブカメラとかもいい感じですね。

さて今回は、知床の世界遺産すぐそばのウトロ地域で、リゾートホテルで働く若者、むらかみさんに知床での暮らしについて書いてもらいました!

むらかみさんは大阪出身。北海道の大学でクマの研究をしていた中で、知床の魅力にとりつかれ、知床で暮らし始めました。大学卒業から5年目、ずっといるわけじゃないと思いながらも、知床を離れずにいるむらかみさん。そんな知床の魅力、知床の魔力(?)について、たくさんの写真とともに語ってもらいました!

***

皆さん初めまして、初めてでない方はこんにちは、むらかみです。

私は今、知床ウトロ地域のリゾートホテルに勤めています。元々は大阪府豊中市出身で、大学進学でそれまで全く縁のなかった北海道へやってきました。酪農学園大学というところで自然環境や野生動物のことを学び、その中でもヒグマのことを専門に調査する研究室に所属し、山を歩きヒグマのフンを探す日々を過ごしていました。大学4年生の秋、研究室の先輩に連れられてきた知床半島の景色にほれ込んでしまい、気が付けば知床ウトロへ。

<b>大学4年生のむらかみ。ヒグマの頭骨を作るアルバイトで初めての知床へ。</b>
大学4年生のむらかみ。ヒグマの頭骨を作るアルバイトで初めての知床へ。
<b>ヒグマの研究時に自動撮影装置で撮影したヒグマの姿(浦幌ヒグマ調査会)</b>
ヒグマの研究時に自動撮影装置で撮影したヒグマの姿(浦幌ヒグマ調査会)

今勤めているホテルではレストランの接客部署を経て、広報やリクルート関係の色々な仕事をしています。

他にもプライベートでは知床ライフを楽しみつつ、ヒグマに関する情報発信やゴミ拾い活動、ガイドの勉強をしてみたり。最近は狩猟免許も取り、なんだかせわしない日々を過ごしています。

リゾートホテルで広報の仕事。基本はパソコンカタカタしてます。(クマの被り物はしてません。)
リゾートホテルで広報の仕事。基本はパソコンカタカタしてます。(クマの被り物はしてません。)
<b>ホテルのスタッフトークでヒグマの話をする場面もあります。</b>
ホテルのスタッフトークでヒグマの話をする場面もあります。
<b>ゴミ拾い仲間と!(右がむらかみ)</b>
ゴミ拾い仲間と!(右がむらかみ)

自己紹介だけでだいぶ渋滞しているなと、自分でも感じています(笑)

もう北海道に来て9年、知床に来てから5年目になりました。はじめはこんなにいるつもりじゃなかったのになぁと思いながら、最近住居を広い部屋に変えたり車を買い替えたり、QOLの向上に対して無意識に投資しているあたり「私、まだ知床にいる気だな…」と感じています。あまり自分でもわかってないのですが、この場所はきっと、居心地が良い場所なのでしょう。

知床ウトロの楽しみは、やっぱり自然です。

特に1月から3月なんて流氷はいつ来るのか、どんな状態か、いなくなってしまわないかと、そわそわしながら毎日海を眺めてしまいます。大阪にいたころ身近な自然と言えば、街路樹やゴミをあさるカラスぐらいしか見つけられなかった私の目にとって、通勤中に見えるオホーツク海とそれを埋めつくす流氷の姿は、日常には溶けきれないほど大きな感動です。「もうこれが見れたから、今日の一日何があってもいいや~」と思えるぐらいに、心が満たされます。寒いのに心はポカポカするんです。

<b>2020年2月プユニ岬からの景色、流氷がただよい海とは思えない景色</b>
2020年2月プユニ岬からの景色、流氷がただよい海とは思えない景色

知床でのさまざまな体験も魅力的です。

5年前、私が知床に来て初めてのグリーンシーズン、職場の先輩にトレッキングや登山、マウンテンバイクに連れて行ってもらってから知床の楽しみ方を知りました。どっぷり体を使うアウトドアなものも好きですが、観光船やドライブなどのライトな感じも好きだし、施設をめぐって脳みそに情報という栄養をあげることも好きです。

<b>6月、知床の奥地カムイワッカへバイクで目指した1年目の夏</b>
6月、知床の奥地カムイワッカへバイクで目指した1年目の夏
<b>北海道に来て残雪期というシーズンがあることを知った5月、知る人ぞ知る火口湖</b>
北海道に来て残雪期というシーズンがあることを知った5月、知る人ぞ知る火口湖
<b>知床観光の大定番である知床五湖を歩いた7月。</b>
知床観光の大定番である知床五湖を歩いた7月。
<b>夏の知床ウトロからのクルーズ、風を感じながら知床半島の景色を一望できる。</b>
夏の知床ウトロからのクルーズ、風を感じながら知床半島の景色を一望できる。
<b>夏、羅臼側からヒグマを観察するクルーズ。クマの研究をしていたのに生で野生のクマを観察することはなかったので、ただただ感動。</b>
夏、羅臼側からヒグマを観察するクルーズ。クマの研究をしていたのに生で野生のクマを観察することはなかったので、ただただ感動。
<b>10月の知床は紅葉。真っ赤にはならないけど優しい色合いが素敵。</b>
10月の知床は紅葉。真っ赤にはならないけど優しい色合いが素敵。
<b>冬に流氷が来たらただただ遊ぶに尽きる!流氷が埋め尽くす絶景!</b>
冬に流氷が来たらただただ遊ぶに尽きる!流氷が埋め尽くす絶景!
<b>2月の流氷ファットバイクは毎年恒例のアドベンチャー、今年も行きたい!</b>
2月の流氷ファットバイクは毎年恒例のアドベンチャー、今年も行きたい!
<b>3月、初めてのSUPは流氷がただよう海</b>
3月、初めてのSUPは流氷がただよう海

毎年のようにやりたいことが増えていきます。

登山一つとっても、新緑の羅臼岳に登ったのなら紅葉シーズンにも登りたくなるし、頂上付近がお花畑になる高山植物の時期もいいですよね。同じく世界遺産地域内にある知床硫黄山は火山活動が激しい山で、羅臼岳とは全く違う景色が楽しめます。そんなこと聞いたらまた登ってみたくなる。

<b>7月の羅臼岳。緑がまぶしい。</b>
7月の羅臼岳。緑がまぶしい。
9月の羅臼岳。低山帯の紅葉が綺麗。
9月の羅臼岳。低山帯の紅葉が綺麗。
<b>6月の知床硫黄山。火山活動や山体崩壊の後など迫力ある景色。</b>
6月の知床硫黄山。火山活動や山体崩壊の後など迫力ある景色。

私は基本グリーンシーズンしか出歩かないのですが、知人から話を聞くと、冬にスキーで山に登る強者もいるんだとか。

夏はうるさいぐらい生命力の溢れる知床ですが、冬は雪が音を吸収するのか、とても静寂で幻想的な景色が広がります。山の頂から見る雪に覆われた知床はどのように見えるのでしょうか。

毎年のようにチャレンジしてみようと思いますが、日程やお天気の都合と、チャレンジにかけるパワーが足りず山を眺めるだけで終わることも…。口癖のように「来年こそは!」と言いながら、「また来年も知床にいるのか…」と自然に刷り込まれていくのがここの恐ろしさなのです。

<b>冬の羅臼岳。私にとってはまだ見ぬ世界(寺山元さんから提供)</b>
冬の羅臼岳。私にとってはまだ見ぬ世界(寺山元さんから提供)

最近感じ始めたのが、知床にいる「人」の魅力です。

いくら世界遺産 知床といえど、現代の人間社会で見れば「僻地」「過疎地」であることは間違いありません。ウトロ地区にドラックストアはないし、映画を見るために車で2時間かかるし、アスクルは明後日に来ます。そんな中でも暮らしている人は皆、大なり小なりこの環境に心つかまれ「日常」に溶かしているのだと思います。

こんな僻地まで行ってみようと思い実際に時間とお金をかけて訪れる人も、知床に心つかまれているのではないでしょうか。ね、そこのあなた?笑

知床という環境で人がすでにつながっているんじゃないかな~と、半ば強引に、個人的に感じています。そんな通称「知床ファン」の方に会ってお話を聞くのが私は大好きです。

この拙い文章を読んでくれているあなたとも、いつか知床で出会えることを楽しみにしています。

<b>全力で楽しんでくれる友人その1</b>
全力で楽しんでくれる友人その1
<b>全力で楽しんでくれる友人その2</b>
全力で楽しんでくれる友人その2
<b>全力で楽しんでくれる友人その3</b>
全力で楽しんでくれる友人その3
<b>全力で楽しんでくれる友人その4</b>
全力で楽しんでくれる友人その4
<b>全力で楽しんでくれる後輩たち!</b>
全力で楽しんでくれる後輩たち!
<b>青春かよ!</b>
青春かよ!

と、そんなこんなで、私の知床に対する愛を書き連ねたわけですが…、実は、この原稿は2022年の1月30日「知床の日」に書いています。知床が世界遺産に登録された年の知床における流氷接岸初日である1月30日、毎年この日に、「知床について今一度考えたいよね」と考えられたちょっとしたアニバーサリーDAYです。日曜日ということもありイベントも盛りだくさんだし。そして何より、天気は快晴で海には流氷が来ていて、今シーズン初の接岸となりました!早く外に出たい!午後からは、職場のスタッフを知床五湖のツアーに連れていく約束をしています!

近くのカフェ「アルビレオ」さんでドリップコーヒーパックも買ったし、後輩ちゃんがパウンドケーキを作ってくれると言ってました。スノーシューをはいてきらきら輝く雪の中を抜け、凍った湖の上を歩き、景色のいいところで知床連山を眺めながらいただくそれは、きっと格別な美味しさなのでしょう。

***

むらかみさん、ありがとうございました!実はわたしとむらかみさんは斜里岳の登山で出会いました。山を登る姿がめちゃくちゃたくましい。笑 なにも縁がなかった土地・知床ウトロで、さまざまな出会いとともに楽しく暮らすむらかみさんの姿は、どこかとても印象に残る方も多いのではないのでしょうか。

そんなむらかみさんは、大学時代からのクマの研究にまつわる活動も、ウトロで働きながら続けています。その話もとてもおもしろそうなことがたくさんあるのですが、その話はきっとまた次回に…!

オホーツクハウスからお知らせ

札幌を拠点に活動する音響・音楽・コンテンツ制作団体のミライノオンガクチームに、オホーツクハウス制作合宿に来てもらいました!オホーツクハウスでの制作や滞在の様子は、ミライノオンガクnoteに記事になっております。ぜひチェックしてみてください!

こちらは制作&滞在編。具体的にどんなかたちで制作してくれていたかが垣間見えます。

飲食&食事編もめちゃくちゃお腹が空く、素敵なまとめです!本当にオホーツクハウスまわりの斜里・清里は美味しいお店がたくさんあります!

今回ワーケーション対応として、オホーツクハウスしゃり・きよさと・さっつるそれぞれ、ワーケーション用に強めのWi-Fiルーター・モニター・ワークデスクなどを新規に設置しました。上記のように制作合宿にもお使いいただけるような環境がバッチリ整いました!

ちょっと長めに滞在して、仕事をしながら観光、仕事終わりに温泉、制作合宿、というのも楽しくできます。なかなか積極的な移動が難しい昨今ですが、もしご都合が合えばぜひお越しください!

感想などもお待ちしております。このニュースレターに返信していただくと届きます。いただいた感想は書き手のみなさまにも共有していきます!ぜひご感想などをお寄せください。

次回もまた別のかたに文章を書いていただく予定です。どうぞお楽しみに!

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