2022年7月号:ゆきのさんのおにぎりチャレンジ

オホーツクに引っ越して3年目、キッチンカーのおにぎり屋さんに挑戦です!
オホーツクハウス 2022.07.29
誰でも

オホーツクの過ごしやすい夏

こんにちは!オホーツクハウスを運営している株式会社トーチの佐野です。

今年のオホーツクは過ごしやすい毎日が続いています。例年30度くらいになることも多いですが、やや曇りがちで、上がっても25度くらいの日々です。

オホーツクハウスきよさとから見える、夕方の斜里岳です。昼は雲がかかっていても、早朝と夕方は見えることが多いです
オホーツクハウスきよさとから見える、夕方の斜里岳です。昼は雲がかかっていても、早朝と夕方は見えることが多いです

もうすこし夏らしい日があっても……と思いつつ、暑くなったらなったでクーラーのない家が多いので、とても暑かった去年よりは快適な日々です。

今回は3月号につづいて、ゆきのさんに書いていただきました!前回は知床の美味しいものをたくさん紹介していただきましたが、そこから大きく一歩を踏み出しています!3回目の夏のゆきのさんの挑戦です。

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オホーツクハウス通信3月号ぶり、斜里在住のゆきのです。

3回目の斜里の夏は、涼しくて雨が多いと感じています。雨が少ないと降ったらいいね、日差しが少ないと晴れたらいいね。こんにちはの後に続くのは、畑の作物を気遣うやりとりです。

あわただしい夏

今年の夏は、昨年知り合ったみま農園さんに収穫の手伝いに行っています。みま農園さんは、斜里岳の麓にあり、裸足で駆け回りたくなる芝生があったり、鳥の鳴き声が聞こえてきたりするとてものどかな畑です。ご家族でブルーベリーやニンニク、とうきびなどの多種に渡る果実や野菜を生産販売している農家さんです。今の時期はいちごの収穫や選果作業が終わり、にんにくの選果やブルーベリーの収穫が始まっています。

<b>露地栽培のいちごの収穫</b>
露地栽培のいちごの収穫
<b>にんにくは手作業で掘って洗って乾かします</b>
にんにくは手作業で掘って洗って乾かします

夏になったらのん気にはしていられないですね。作物の成長の勢いに圧倒されます。たくさん実ったいちごをみんなで一気に収穫してパック詰め。出荷し販売するまでの一連の流れを近くで見せてもらうことができました。これも、おいしい状態でお客さんのもとに届けるためのスピード感。作業にはやりがいを感じますし、野菜をいただくときにはありがたい気持ちにもなります。

畑で働く

働く頻度は週2〜3日程度で、農家さんにとって人手が必要な時と自分の空き時間が一致した時にだけお手伝いに行きます。短い時間でも、畑に行って作物の成長を見させてもらえること、野菜の走り・旬・名残りまでを感じられることは好奇心が満たされ、どうやって食べようかわくわくします。

<b>走りのアスパラ、旬を迎えるとどんどん太くなります</b>
走りのアスパラ、旬を迎えるとどんどん太くなります

作ることを仕事に

かねてから、自分で考えて仕事がしたい、何かしらのお店をもちたいという思いがありました。斜里で暮らし、生産者さんと知り合い、食についての興味が増す中で、飲食店をもつ夢ができました。約6年前から、お米屋さんで米を食べ比べたり、ごはん検定という民間の試験を受けたりと、ごはんに熱中するようになっていたこともあり、おにぎり屋さんが頭に浮かびました。高校時代には、朝ごはんを食べる時間がない程朝寝坊の私に、毎日祖母がおにぎりを持たせてくれました。お腹だけでなく、心もほっこり温まるおにぎりの不思議な魅力。これしかない、と心はすぐに固まりました。

#おにぎり1000本ノック

とはいえ、おいしいと思えるおにぎりを作ることは困難でした。料理本、雑誌や動画でいろいろな作り方を調べました。直接おにぎり屋さんに出向いて米の品種や炊き方、握り方のそれぞれの方法を見て歩きました。見て勉強することはもちろん大切ですが、頭で考え多少試作をしたくらいでは自分のものにならないことを感じ、特訓をすることに決めました。とにかく毎日握ってみよう、何か掴めるかもしれないなという漠然とした気持ちで始めたのが #おにぎり1000本ノック です。

2021年1月1日から毎日おにぎりを握り続けました。お茶碗に取るのか、木型を使うのか、大きさはどのくらいか、などなど迷いながら試作を続けました。毎日続けることでわかったことは、おにぎりは握り方だけでおいしさが決まるわけではないということです。米の鮮度、給水、炊き方に気を遣い、整えていくことが安定したおいしさにつながります。今写真を見て振り返ると、無骨ながらもいろいろな地元産具材にチャレンジしていて、今後の参考にしようと思えるものもありました。

<b>斜里産大豆おにぎりに、自家製梅干しや行者にんにくの醤油漬けをのっけて</b>
斜里産大豆おにぎりに、自家製梅干しや行者にんにくの醤油漬けをのっけて

一日も欠かさず毎日おにぎりを握り、4カ月と5日後の5月5日に1000個目を達成することができました。途中から、作るよりも食べる方が大変なことに気が付きましたが、思ったより早く達成できたのも、試作を食べてくれたみなさんのおかげです。いろんな方に感想をもらいたくて、お届けして食べていただいた方は100人以上になりました。たくさんの試作に付き合っていただきありがとうございました。ツイッターで #おにぎり1000本ノック と検索していただくと、試行錯誤のあの頃を見られます。

小さい町で起業する

斜里町は農業や漁業、観光業が盛んな人口11,000人弱の小さな町です。スーパーやコンビニがあるので日々の買い物には困らなく、飲食店やカフェもあり、もうこれで十分な気さえしてきます。でも、自分はおにぎり屋さんをやりたい。そして、自分のやりたいと思う気持ちを満足させるだけでなく、誰かにとって必要な何かを提供したい思いもありました。そこで、町の人たちに自分のやろうとしていることを、どんどん伝えることにしました。

「おにぎり好きだから買いたいわ」「おかずや汁物があったらいいね」とアドバイスをいただいたりして、一緒に妄想を膨らましてくれたりする方も。「これ、おにぎりに使ってみて」と豆、大根の葉、青じそや鮭のおすそ分けをいただいたり、厨房用品や電化製品を譲っていただいたり、たくさんの方に気にかけていただきました。

キッチンカーでおにぎり屋を開きたいと考えていたため、出店先をどうするか、車にどんな設備を揃えるか、など、実際に動き出した時のことを教えていただくこともありました。お世話になった隣町の車屋さんには「スズキかダイハツ?遠乗りするなら断然〇〇〇〇だね!」と推しを教えていただきました。斜里にもキッチンカーをお持ちの方がいて、中を見させていただきサイズを測ったりオペレーションを想像したりすることができました。さらに運転までさせていただき、夢が膨らみました。

身近に応援してくださる方がたくさんいてくれる実感から、「開業してもやっていけるのかな…?」という不安は消えていました。100%成功するかどうかなんて誰にも言い切れないので、あとは走りながら考えようと思うことができました。2022年4月にキッチンカーの納車が無事終わり、プレオープン期間を経て6月に“おにぎりとスープのキッチンカー 梅とら”でオープンすることができました。

<b>札幌の北新ケータリングさんに作製していただきました</b>
札幌の北新ケータリングさんに作製していただきました
<b>北山カルルスのデザイン、梅とらのロゴ。“米”と“汁”が隠れています。あと米粒も</b>
北山カルルスのデザイン、梅とらのロゴ。“米”と“汁”が隠れています。あと米粒も

ここにいるから生まれるメニュー

梅とらのメニューは毎日変わります。梅おにぎりだけは定番として用意しますが、あとは気まぐれです。4月〜6月にかけては斜里産桜ます、5月6月にはアスパラなどその時にとれるものを使っています。私自身、季節に合わせて食べて仕事をしていくことが自然な感じがして好きです。農家さんで、出荷はできないけれど十分においしい作物がある時には「おにぎりにできない?」と分けていただくことがあります。お題をもらって取り組む面白さと、今ここにある食材を活用できた時の嬉しさを感じます。

<b>小粒ですがしっかりとした旨味があるそら豆のおにぎり</b>
小粒ですがしっかりとした旨味があるそら豆のおにぎり
<b>左から“すっぱいうめ”、“桜ます”、“ほうれん草の冷製スープ”</b>
左から“すっぱいうめ”、“桜ます”、“ほうれん草の冷製スープ”

キッチンカーのホーム

おにぎりの具材やスープを手作りしていることもあり、調理ができるキッチンが必要でした。自分にあう物件を探していてもなかなか見つからず困っていたところに、知り合いのパン屋さんが新しくカフェをオープンするとのことで、キッチンを共同で使わせてもらえることになりました。もともと古民家でしたが、今は斜里の街中で“ヒミツキチこひつじ”という看板を掲げひっそりと賑わっています。梅とらは、ここの軒先で週2回の販売をさせてもらっています。ヒミツキチこひつじでは、パンが購入できるだけでなく、うどんと甘味処の出店があったり、古本の販売があったりと、雑然としていているからこそ落ち着く空間です。私も時々店員になったり、お客になったりしてすてきな空間を満喫しています。

<b>主に、日曜日と平日の月曜日に“ヒミツキチこひつじ”で出店中</b>
主に、日曜日と平日の月曜日に“ヒミツキチこひつじ”で出店中

斜里に来て3年目、もっと先に思い描いていた自分の店をもつことの夢が叶いました。まだ始まったばかりで体をならしていくのに精いっぱいですが、季節と人との出会いの流れに沿いながらいろいろな選択をして生活を動かしていきたいと思っています。

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ついに走り始めたゆきのさんのキッチンカー!初めてお会いしたときからお話は聞いていて、#おにぎり1000本ノック のおいしいおにぎりもいただいていました。笑

自分で「これがやりたい!」と言っていくと、いろんなひとがいろんなことを教えてくれたり、いろんな機会をくれたりして、自分のやりたいことが前に進んでいく。これもひとと距離感がほどよく近いオホーツクならではのことかもしれません。

オホーツクハウスに遊びに来た際は、ぜひ「ヒミツキチこひつじ」さんをチェックしてみてください。ゆきのさんのおにぎりが食べられる日にぜひ!

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オホーツクハウスからのお知らせ

オホーツクの一番いいシーズン、夏がやってきました!観光客のみなさんも多くなるシーズンです。

ありがたいことに、8月中旬までは短期滞在の方々と長期滞在の方々にご利用いただき、ほぼすべての日程でご利用いただいています。本当にありがとうございます。全国的にコロナが流行ってしまっているご時世ですが、感染対策をしっかり行って、無理のない範囲で活動を続けていければと思います。

8月後半以降、9月10月もとってもいい季節です。まだ本州では暑さが続く8月後半〜9月は、北海道の人にとってはもう秋。9月後半〜10月にかけては紅葉も楽しめます。もうそんな時期になってしまう…!その時期の長期滞在もとってもおすすめです。お早めにご連絡いただければすこしお得にご案内できると思います。

詳しくはオホーツクハウスのウェブサイト、下部のメールフォームからお問い合わせください。

そして知床観光船。シーズン始めに痛ましい事故が起きてしまいましたが、今年はその手前で折り返すルートで運行中です。運行中の事業者さんたちはいずれも海のベテランの方々が安全対策をしっかりおこなって運行しているので、もし知床にいらっしゃる機会があれば合わせてどうぞ!恥ずかしながら私はまだ乗ったことがないので、この夏乗ってみます!海からかなりの確率でクマが見れるということで、楽しみです!

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次回はまた最初に戻り、シリエトクノート編集室の中山さんに3回目のお話を書いていただきます!ヒミツキチこひつじは中山さんも参加されているので、そのお話もあるかも?お楽しみに!

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