2021年12月号:「シリエトクノート」中山さんの40kmのオススメ
オホーツクの紋別市にある、カニの爪のオブジェです。たしか10m以上あります。昔は海に浮いていたそうです。わけわかりませんね。
オホーツクの冬がはじまる
こんにちは!オホーツクハウスを運営する、株式会社トーチのさのです。
12月に入り、オホーツクも荒れた天気が続いています。雪も頻繁に降り、いよいよ本格的な冬の到来です。
今月から、オホーツクハウスの近くで暮らしている方々による連載がはじまります!数ヶ月ごとの周期で、毎月別の方に書いていただき、オホーツクで暮らす方々のイチオシ情報や最近の暮らし、いまやろうと思っていることなどについて書いていただく予定です。
初回は「オホーツクハウスしゃり」のある斜里町にお住まいの、ライター(シリエトクノート編集室)の中山さんに、地元目線の知床のオススメについて書いていただきました!
ビート畑の中からこんにちは!
北海道斜里町でライター業等を営む、中山と申します。
今回は、住んでいるからこそ紹介できるのもしれない「こんなとこがいいとこ。知床斜里」をテーマに、普段の暮らしの紹介も絡めながら、トピックを挙げてみたいと思います。書きながら考えます!
というか皆さん、斜里町の位置ってご存知でしょうか?
Google Mapより
最寄りの女満別空港から斜里市街地まで車で約1時間。バスも出ています。世界自然遺産を抱えている町、さいはての地というイメージの割には意外とアクセスのいいのがポイントです。ちなみに「オホーツクハウスしゃり」は、斜里バスターミナルとJR知床斜里駅のすぐそば。
斜里という町は、これ、地元の友人が考えたキャッチコピーで言い得て妙なんですが「ふたつのマチがある町」。
斜里市街地とウトロというまったくカラーの違うふたつのエリアが存在するのが斜里町の良さだと感じていて。ふたつの40kmという距離をマイナスに捉えず、違いを楽しめたらいいなあという思いで、このキャッチコピーにしました。
まず、役場庁舎などがある中心市街地があって、そこから約40キロ、車で走ると世界自然遺産・知床の中核地であるウトロ地域があります。
知床連山とオホーツク海に囲まれたマチ、ウトロ。(知床斜里町観光協会提供)
「え!同じ町なのに知床国立公園に行くには、そんなに走らなきゃいけないの?」と思ったあなた。あなたにこそ来てもらいたい。
と言うのも、その40キロの道のりが最高なんですね。
日本百名山のひとつイケメン斜里岳と、劣らず美しい海別岳に挟まれた市街地を抜け、畑作地帯を気持ち良く走り抜けた先のオホーツク海には、いつも感動があります。
ピンポイントですみません。斜里を出発して約20キロ、日の出漁港を臨む大きな右カーブを曲がると、急に視界が海でいっぱいになる瞬間があるんです。
駐車帯がないので、写真で見せられないのがもどかしいのですが、その瞬間の動画をアップされている方がいました。ありがたい。
冬はこんな感じ。ありがたい。
ここから先、ウトロまでひたすら海沿いをゆく時間は至福そのもの。春夏秋冬、その日ごとに表情が違って、天気が比較的ころころ変わりやすいオホーツク地域の特徴をドラマチックに体感できます。
特に1〜3月あたりは流氷が到来し、世界に誇れるドライブコースだと思っています。
日の出地区の「レストハウス知布泊」に隣接する駐車場からは、こんな風景が見られますよ。非日常が日常。(流氷を見るときは、海の部分には出ないでくださいね)
去年から斜里に暮らすミュージシャンAirda氏は、通勤路であるこのコースからのオホーツク海を日々、定点観測しています。海の表情とともに、同氏の心模様が垣間見える興味深い記録。
斜里⇄ウトロ間のビュースポット6選
斜里⇄ウトロ間で見られるビュースポットを紹介します。(地点はそれぞれ斜里市街地からの距離)。約40キロの間でも、こんなに楽しめるよ!という自慢です。
①天に続く道:約10キロ地点。峰浜地区から全長約18キロ続く直線道路。まるで天に続いているように見えるのでこの名がつきました。ちょっとだけ遠回りになりますが、ウトロへの道中、オプション的にここに寄るのはありです。
そしてここだけの話。90度くるりと北側を向けば見える名も無き道(海に続く道)が、天に続く道に劣らない絶景です。この先にあるカフェ「こひきや」と併せておすすめ。
人々が天に続く道に夢中な様子を尻目に、マイペースに絶景を繰り出す名も無き道。
②レストハウス知布泊(ちっぷとまり):約17キロ地点。昭和で時を止めたかのようなノスタルジックな喫茶店。高台にあるので、テラス席からオホーツク海が見渡せ、四季を通して最高オブ最高です。
メニューも古き良き…という感じで、あつあつの鉄板で出てくるナポリタンが人気。こういった歴史のお出汁が染み出た喫茶店は知床において絶滅危惧種なので、野生動物同様、町ぐるみで保護してほしい。
photo by marie hirano
③知床エゾシカファーム:約26キロ地点。エゾシカの捕獲から解体、食肉加工まで行っている施設で、道路からは育成牧場が見えます。野生のエゾシカに出会う前に、ここで飼育されている群れに遭遇する方がインパクト大かもしれない(見入り事故にはお気をつけて!)。施設には立ち入れませんが、ここのエゾシカ肉は、町内や通販でも購入できます。あっさりうまい。
④遠音別(おんねべつ)川河口:約27キロ地点。鮭鱒の遡上スポットとして知られ、秋は釣り人の車でめちゃくちゃ混んでいるのですぐわかります。遡上自体は車からだと絶対わからないので、ここはぜひ降りて見てほしい。川面が黒く見えるほどの鮭鱒の量にびっくりするはず。見ごろは8月下旬〜9月下旬です。
⑤オシンコシンの滝:約29キロ地点。車窓から見ても迫力が伝わってくる落差約30メートルの滝。このあたりから「知床に来たな〜〜」としみじみ実感。しかしこの光景ですら、斜里町民には日常。
そんなふうにしてたどり着いたウトロ地域は、まさにグレートネイチャー。ディスカバリーチャンネルのごとき景色と体験が待っています。ここから先は、知床斜里町観光協会や、知床自然センターのサイトにバトンタッチ。
***休 憩***
ウトロのカフェ「coffee albireo」。コーヒーもフードも丁寧で美味しい。
マイホームタウン、斜里町中心市街地について
藪から棒ですけど、昔はあまり好きではなかったんです。ウトロほどわかりやすく大自然を感じられる地でもなし、ごく普通のつまらない田舎町だなーと。自分語りさせていただくと、その中途半端さを己にダブらせていたのだと思います。
でもUターン後、一見なんの変哲もない街並みに鎮座する斜里岳の力強い存在感とか、観光スポットじゃなくとも映画的光景がそこここに展開されているぜいたくさとか、小規模ながらも頑張っている商店街とか、自然に逆らわず生きる農・漁業者のかっこよさとか、少しずつ愛や驚きが蓄積されていって、「中途半端さ」が「ちょうどよさ」、そして「心地よさ」へと、次第に変わっていきました。
野鳥のサンクチュアリ、斜里川
リバーサイドウォーキング中の風景。四季を通して発見があってぜんぜん飽きない。
2015年10月、斜里橋の下に漂着していたザトウクジラの子ども。海獣類の漂着はたまにあるけど、これはびっくりした。
「道の駅しゃり」周辺の商店街で毎月第2金曜日に開かれる夜市「ふらっとナイト」。暴風雨でも吹雪でもたいがい開催していてたくましさを感じる。(現在は規模縮小中)
ここの良さというのは、そうしてじわじわ時間をかけてようやくわかってきたものですから、一言で伝えるにはちょっと難しいです。
でも、もし時間がありましたら、思い切って斜里を拠点にちょっと長めに滞在してみたり、あるいは季節を変えて何度もいらっしゃることをおすすめします。手前味噌ですが、たいがいの買い物に困ることはなく、人の営みを身近に感じられつつも、思い立ったときにウトロの大自然にダイブすることもできる斜里市街地は、ワーケーションの場としても、なかなか良き環境です。
なんとなく予想していたものの、徒然なるままに綴りましたら、結構な長文になってしまいました…。もしいつか機会ございましたら、オホーツクハウスしゃりから半径15キロ以内でさくっと行ける楽しいとこ、便利なとこも紹介できたらなーと思います。ごきげんよう。
中山よしこ(シリエトクノート)
北海道斜里町在住。札幌市からUターン後、地方紙記者を経て2011年に斜里町内の仲間と「シリエトクノート」を創刊(休刊中)。以後、DTPオペレーターとライターの傍ら、知床に来訪するアーティストとの企画「アーティスト・イン・シリエトク」や、移動古書店「流氷文庫」など、節操なく活動中。 https://twitter.com/siretoknote
中山さん、ありがとうございました〜!!
私自身も何度も何度も通っている道でしたが、あの道がとても新鮮に見えてきました!ずっと行きたいと思いつつなかなかいくタイミングが無かった知布泊のカフェ、今度は必ず行こうと決意しました。笑
オホーツクハウスに過去泊まってくださったかたにとっては、きっと見覚えのある場所や、「ここ行った!」という場所もあったのではないでしょうか。また、まだ来たことがないかたにとっても、「これはちょっと行ってみたいな…」という気持ちになるものがあったのではないでしょうか。
よければみなさまのニュースレターの感想や、オホーツクの思い出、オホーツクにきてやってみたいことなどを教えてください。このニュースレターに返信でも、この記事にコメントでも結構です。せっかくオホーツクハウスに泊まってくださったみなさまとも、なかなか直接お話ができていないので、このニュースレターを通じて交流ができればとっても嬉しいです。
次のニュースレターも、また別の方にオホーツク、知床のことについて書いていただく予定です。次はどんなことが読めるでしょうか…!もしご登録がまだの方は、よろしければこちらからご登録をお願いいたします。
オホーツクハウスからお知らせ
お知らせです。オホーツクハウスでは、12/6(月)〜12/26(日)まで「どうみん割」を実施中です。とりあえず1ヶ月ですね。また年明けくらいから続きそうだけど。
今回は半額分の割引に加えて、1泊おひとりあたり2,000円分のクーポンがついてきます!すごい!
「どうみん割」ホームページより
ちなみにオホーツクハウス・知床周辺で使える店舗はこんな感じです。スーパーとかセイコーマートとか観光ガイドとか、結構どこでも使える!すごい。
オホーツクハウスでは、AirbnbとかBooking.comから来てくださる方にはその時によって値段を設定していますが、このメールマガジンを購読してくださっていて、今回の12/6(月)〜12/26(日)で来てくださる方は、割引適用でおひとり1泊あたり2,000円(税込)でご案内します!
ちなみにどうみん割が適用できるのは最大5泊6日までなので、そんな感じでそこそこ長期間で来てくださるの大歓迎です!しゃり・きよさと・さっつるいずれも8〜10人泊まれるので、大人数でも大歓迎です!
お気軽にこのメールに返信か、こちらのお問い合わせフォームからお問い合わせください。お問い合わせフォームからの場合は「ニュースレターみました!」とお伝えください。なんかテレビみたいでおもしろいですね。
あ、あとはめっちゃ思いつきですが、クリエイター応援プランとして、「オホーツクハウスに関わるなにか(写真、動画、文章、デザイン、音楽、アート、電子工作、などなど)をつくってくださったらさらに宿泊費半額!プラン」もいまはじめましたので、ご興味がある方はこちらもご連絡ください。笑
流氷が来る前の冬は、中途半端に寒くてなかなかオホーツクハウスまで来てもらえないので、この機会にぜひご利用ください〜!
ついに冬。もうすぐ流氷の季節がやってきますね
それでは、また次のニュースレターでお会いしましょう!
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